2010-10-20 『功利主義と分析哲学』 思想 功利主義と分析哲学―経験論哲学入門 (放送大学教材)作者: 一ノ瀬正樹出版社/メーカー: 放送大学教育振興会発売日: 2010/03/01メディア: 単行本 クリック: 59回この商品を含むブログ (12件) を見る「功利主義」(筆者の用語だと大福主義)と「分析哲学」の源流を「イギリス経験論」に遡る試み。この「経験論」とは感覚データによる印象・観念のみを意味するのではなく、より広く「努力し試みることの中において」という行為を重視した意味で捉えられなければならない。そこから一連の思想を貫く「計量化への志向性」が暴かれる。具体的にはロックから、バークリ、ヒューム、ベンサム、ミルを経由して、論理実証主義や現在の功利主義へ。一つ大きな主題を挙げるとすれば「因果」(原因)だろうか。全体を眺めてみてもヒュームの因果論の影響が計り知れないことに気づかされる。